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基本理念

 全国救急隊員シンポジウムは、平成4年度に第1回が仙台市で開催され、先人の意思を受け継ぎながら、新時代救急の質的充実を目指して、ここまで歩みを進めてきました。それから27年の月日が経過しましたが、高齢化の進展などの社会情勢の変化に伴い、救急需要は増加の一途を辿っており、平成20年以降の救急出場件数は、過去最多を更新し続けています。

 一方で、甚大な被害をもたらした「東日本大震災」をはじめ、今後発生が危惧される「南海トラフ」などの地震災害、異常気象に伴う「西日本豪雨」などの激甚化する災害への対応、そして「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催などに伴うテロ災害発生への懸念など、救急救命の最前線を司る消防機関を取り巻く環境は新たな局面を迎えています。

 このような状況の中、地域住民の安全と安心に大きく寄与する救急救命体制の更なる向上を図るためには、新しい知見を積極的に取り入れることはもとより、先人からの救急救命技術の伝承や多職種連携、ICTの利活用など、実践的な取り組みが求められています。

 本シンポジウムを契機として、全国の救急隊員や救急救命に携わる医療関係者が一丸となり、それぞれの「強み」や「弱み」を相互に補完し合う体制をより強固なものとするとともに、新元号「令和」として歩みだす新たな時代の幕開けの時に、再びここ杜の都・仙台から、『救急救命の新たなステージ』に向かって、次世代の救急救命体制を見据えた熱いメッセージを全国に向けて発信します。